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日本経済新聞(夕刊)連載「弁護士余録」第5回「門戸広がる特許出願、審査請求は熟慮必要」
飯田 秀郷/著

せっかく発明をして出願したのに、会社は権利化の手続きをしてくれない。「そんなことでいいのか」と質問された。
 特許権で発明を保護するには、特許庁に特許登録出願をする必要がある。さらに審査請求手続きによって審査が始まり、特許権として登録される。特許権は早い者勝ちが原則だから、出願は他社に先駆けることが大事だ。出願しないでおくと、後日他社から同様の出願がなされ、権利を取られてしまうこともある。同じような開発が同時期になされることもよくあるからだ。
 もちろん出願しただけではその発明を独占することはできない。しかしその出願を先んじて行うことで、他の者がその発明を独占するような事態にならないように防衛していることになり、十分に意義のあることだ。
 審査請求は出願から三年間はできるので、この間に、じっくり検討すればよい。(1)自社の事業分野として中核の技術である(2)改良発明がどんどん生まれ、新たな事業分野として有望である(3)競合他社の技術動向から他社に権利化されては不都合がある――など、知的財産戦略上必要があると判断したら審査請求するべきである。
 来年四月施行の改正特許法では、出願手数料を値下げし、審査請求手数料は大幅に値上げする。発明をした場合、気軽に出願できるようにすると同時に、出願人に審査請求には慎重な態度を要求するわけだ。審査請求の件数を減らし、保護に値する発明を絞り込んで審査の充実・促進を図ろうというのが特許庁の考えだ。その結果、保護が必要な発明を六カ月程度の短期間で権利化できるようになるかもしれない。

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